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2018年3月6日付 バス乗務員不足に伴う新たな課題について

2018/03/06

 

平成29年10月12日      

      各  位

 

とさでん交通株式会社                    
代表取締役 片岡 万知雄         

  

 

乗務員不足がもたらす今後のバス路線のあり方等に関する提言    


 

 関係者、お客さま各位には、日頃の弊社への多大なご協力、ご支援を賜っておりますことに改めて厚く御礼申し上げます。
 さて、去る10月6日に私から記者会見をさせていただきましたので、ご報告をさせていただきますとともにご提言を申し上げます。

 

  1. 今回の記者会見は、国の指導(文書警告)を受け、早速改善を行いましたことを慎んでご報告させていただいたものですが、もう一つの大きな目的は、今回のご指摘の背景でもあり、今や全国的な問題となっております(1)バス乗務員の不足と、(2)この問題がもたらす地域の公共交通の確保について、早急に対策を講じなければならないということを広くお訴えしたかったためでございます。
     
  2. 現場の状態を一番知っているのは私たち事業者であり、また、これからの大きな県民的課題となろう事実を事前に関係各位に発信することは、とさでん交通の大事な使命であるとの思いからでもございました。
     
  3. 具体的に申せば、『バスの乗務員不足という要因が、地域のバス路線規模を強制的に決定する』という時代が到来し、今、正にその節目にいるということでございます。
     
  4. とさでん交通では、自治体から全額出資をいただき設立された会社の成り立ちから、地域の公共交通を維持するという使命の下、役職員が一丸となり路線バスの運行を担ってまいりました。
    逼迫する路線バス乗務員不足に対しましては、貸切バスや高速バスからの運転手の応援、また、雇用においては従来からの乗務員の採用活動に加えまして、免許取得費用の助成、高校新卒者の採用、初任給の改善や正社員への登用など処遇の改善、更には従業員による紹介制度の創設など、様々な施策を講じてまいりましたが、自力での抜本的解決は困難な状況にあります。
     
  5. 公共交通をお預かりする企業の最大命題は、「安全運行の確保」であり、これを担保するのがコンプライアンスでございます。
    事業者として、もしこの企業命題に支障や不安が生じるのであれば、乗務員現数に応じた適正なバス路線規模に移行(縮小)する方針を採らざるを得ませんし、実態に応じた最善策を選択しなければ、公共交通事業者としての責任を全うできないこととなります。
     
  6. 乗務員不足は、全国的かつ構造的な問題であり、事業者の懸命の努力を持ってしても、俄には改善できない根深い問題であると認識しております。
    特に、経営的に厳しい地方のバス事業者にとっては、人口減に伴う乗客減少時代をどう生き抜くかに、文字通り身を削って懸命に腐心してまいりましたが、ここに至って、乗務員不足の問題が、人口減少問題に先んじて、事業者への更なる経営規模縮小を強いるという事態となりつつあります。
    弊社にとりましても、バス乗務員は絶対数不足に加え、高齢化が顕著であることから、これへの対策は焦眉の急の課題であり、事業再生計画の想定を超えて、経営を大きく圧迫する重大要因となってきたと危機感を抱いております。
     
  7. この問題は、バス等をご利用いただいている県民・市民等の皆様にも、大きな課題として降りかかるものであります。特に、他に移動手段がないお客さまにとっては、生活に支障が出ることは必至でございます。
     
  8. この課題の克服には、私たち事業者、自治体等の行政、県民・市民の皆様が、地域の公共交通を今後どう維持していくのかを協議し合い、結論を見いだしていくしか方法はないものと考えております。
    この課題解決にあたっては、やはり自治体の皆様に主体的なリードをお願い申し上げたいと存じます。
    我々事業者は、広範囲かつ有効な議論ができるよう、いろいろな案を示す役割を担っているものと考えております。
     
  9. 直面している乗務員不足問題は、労働力の減少という国家的・構造的な各種事業全般にわたる課題背景の中において、代替手段も含めた地域の公共交通を考え直し、また再構築を迫る厳しい課題であると認識しております。またこのことは、これまでの延長線上では考えることができない局面を迎えたということでもあると認識しております。
    ついては、とさでん交通の今後のあり方も含め、関係各位が新たな知恵を出し合い、この課題を克服しなければならない『フェーズ2』に入ったことをあらためて申し上げ、弊社への一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう切にお願い申し上げます。
 

 

以 上

 

 



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